峰之沢鉱山
静岡県西部にあった鉱山。近くの久根鉱山とともに銅を産出していた。
他の多くの鉱山と同じように、太平洋戦争前後の一時期はとても賑わったようだ。しかし採掘量の減少などから昭和44(1969)年に閉山。現在では2棟の鉱山社宅とコンクリートの選鉱場跡などが残るのみとなっており、閉山前とは違う静かでマターリとした時間が流れている。
ちなみに社宅はなぜか埋められている。埋め。
以前は下平山小学校の校舎もあったようだが、私が訪れたときには解体された後だった。
かつては国鉄のバスが通っていたのだろう。
もう来ることのないバスを、
彼らは待ち続けていた。
手書きの時刻表。
「峰之沢」「瀬尻」という行き先を
かろうじて見ることができる。
何か疑問でもあるのかな。
とても長閑な風景。
ここに鉱山があったとは思えない。
そんな場所に社宅跡はある。
下で農作業をしていた地元の人に、
「日テレ(の番組)見たの?」と尋ねられた。
聞くと、最近ここの取材に来たらしい。
新聞の日付は昭和44年。
閉山の年と一致する。
階段にも苔が生え、蔦が絡まる。