崎戸炭鉱
長崎には未だ現役の池島炭鉱以外にも、高島、端島、崎戸など多くの炭鉱が存在していた。その中でも最大規模を誇ったのが崎戸炭鉱である。
1907(明治40)年から本格的に採掘が始まり、一時は7500人以上が従事していたこともあったが、石炭の時代の終焉に伴い1968(昭和43)年に閉山。
現在でもアパートや独身寮といった建物が残るものの、やはり炭鉱として栄えていた頃の雰囲気は感じられない。
春のうららかな陽気の中で、立ち並ぶその廃墟群は別世界のようであった。
平和寮を通り過ぎて美崎アパートに来た。
春だからか(かなり大きめの)ケムンパス君がいっぱい。
私は別にいいが、この類の虫が嫌いという人(M氏)が見たら
どうなることか。
廃鉱から40年が経とうとしている。
生活感がなくなっても、それは仕方ないことか。
そんな部屋で当時のものを見つけると、
なぜかドキッとすることがある。
ここに人が住んでいた、という想像ができないからかも知れない。
ここは間違いなく家だったはずなのに。
松尾鉱山でも思ったが、便器が割れてるのはともかく、
違う部屋まで遠征してたりするのは一体なぜだろうか。
下のトイレが見えている。
ボットンっていうレベルじゃねーぞ!
見慣れない物だな・・・
他愛ない落書きも、40年の時を経ていると何か不思議な感じがする。
40年。
ここはもう、人間の来る場所ではないのか。
別世界に迷い込んだ私はそう思った。